ショールームの役割
海外進出・販路拡大のために、ショールームを探している企業は多いですね。
ショールームの有効性を基準に、現地パートナーを探すのも一つの方法です。
「海外進出」と一言でいっても「誰に売りたいのか?」で当然方法は変わってきます。
- トレンド発信、インフルエンサー的なコンセプトストア
- 専門店、百貨店等の小売店
- チェーンストア 等、
「店」を相手とした商売をしたいのか? (BtoB)
それとも「エンドユーザー」に売りたいのか? (BtoC)
販路拡大のためには「両方」という場合ももちろんありますね。
そこでショールームの役割について書いてみたいと思います。
ショールームとは: 商品を展示する部屋。展示室、陳列室。
商品サンプルを手にとって見ることができる場所です。
「パリでショールームに商品を置く」というのは一つの方法です。
しかし、大切なのはそのショールームに「誰が来るか?」ということなのは言うまでもありません。
「現地のエンドユーザーに売りたい」
「現地で販売しているという実績を持ちたい」
「話題作り」
であるなら、
対象となるお客さんを中心とする人出の多い地区の見栄えのするショールームに、商品を委託し販売するのは有効な方法です。
エンドユーザー対象のPOP UPストアなんかも同じです。
ただし、「バイヤーに売りたい」というのであれば、これは的外れになります。
なぜなら、バイヤーは、商品自体に関心があるのであって、見栄えのするショールームに惹かれて商談しに来ることはほぼないからです。
この点が、ショールームの役割で誤解されがちな点です。
極端なことを言うと、バイヤーは商品に関心さえあれば、ショールームでなくても、路面店舗ではないオフィスの一角でも足を運ぶわけです。
そして彼らにとってみれば、エンドユーザー向けの一般の店は競合となるわけで、その競合の店へ足を運んで商談をするというのはあまりありません。
よって、バイヤーに売りたいのであれば、ショールームの見栄えを基準にするのではなく、しっかりと販路を持ち、販売実績のある現地パートナーを選ぶことが、近道になります。
さらに展示会に定期的に出展すること、デジタルプラットフォームに年間を通し登録し、デジタルショーケースを持つことは必須と言えます。
まとめ:
・エンドユーザーに売りたいなら、足を運びやすい場所でそれなりの見栄えがする店を選び、(委託)販売する。それはオンラインでも同様です。露出を第一に考え、広告を打ったりSNSを駆使して自社ECサイトに訪問を促すという流れが大切です。もちろん、オンライン注文に対して個別に丁寧に日本から発送できる体制が整っていることが前提です。
・バイヤーに売りたいなら、バイヤー向けの価格表、受注条件、商品カタログ等必要な資料を用意し、適した展示会に出展する。オンラインなら自社ECサイトで問い合わせに迅速対応できるようにしておく。また、展示会はヨーロッパにおいては特にメインとなるビジネスチャンスなので、展示会を見栄えのするショールームだと捉えるとわかりやすいかと思います。
何れの場合にしても、現地のパートナーを見つけて物流を任せるのは確実な一方法です。
また、特にBtoB、BtoCの両方を同時進行で、、、という場合は、くれぐれもそれぞれの価格設定に気をつけることが必要です。
何れにしても、エンドユーザー向けの販売価格とバイヤーへの卸価格の計算が合うようにしておくことが重要です。当たり前のことですが、この計算が合わず、エンドユーザー向け販売価格に大きな違いがある場合、お客さんとバイヤー両者からのクレームの対象になります。
独自ECサイトに力を入れるメーカー、ブランドが増えている中、エンドユーザーとバイヤーの両方に同時に売りたい場合は、なおさらこの点は重要です。
現状、販売チャンネルを多く持っておくことが大切な点は変わりません。
ショールームは、ターゲットとする人が足を運ぶなら有効、そうでなければはっきり言って無効。
「誰に売りたいのですか?」
じっくり考えてみることをおすすめします。
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